空が高くなったように感じるのは、秋が訪れていると言う証拠だ。

「まだ、納得していないのかい?」

宗助の声に、夏々子は窓に向けていた視線を彼に向けた。

「そんなことを言いたい訳じゃないわ」

夏々子は返した。

「あたしは、犯人を捜し出した後のことを知りたかっただけだから」

そう言った夏々子に、宗助は手を伸ばすと頭をなでた。

「疑われたままじゃ、ソウちゃんだってヤでしょ?」

「嫌だな」

宗助は一言そう答えた。

「もしかしたら、ピッキング・カルテットの正体があたしたちだって…」

「なっちゃん」

夏々子の言葉をさえぎるように、宗助は彼女の唇に人差し指を置いた。