『芸能事務所「スタンドバイミー」

代表取締役社長 玉井宗助』

彼から受け取った名刺にはそう書いてあった。

「社長さん、ですか?」

そう聞いた瑛太に、
「つい最近できたばかりなんだけどね」

宗助は笑った。

オールバックにした黒髪に切れ長の瞳、俳優のように整ったその顔立ち――同じ男のはずなのに、心臓がドキッと鳴った。

自分にはない紳士的で柔らかい雰囲気が、彼の躰からにじみ出ていた。

「君の名前は?」

そう聞いてきた宗助に、
「植木瑛太です」

瑛太は言った。

「瑛太くんだね。

年齢は?」

「17です」

自分の本当の年齢を言った後、瑛太は宗助の顔を見た。