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「――すっげー…」

初めて見た東京の景色に、瑛太は圧倒されることしかできなかった。

電車を乗り継いで広島から東京へ行くことに成功した。

財布に残っているお金はあまりない。

「働くところを探さないとな…」

そう言うことは簡単だが、まだ15歳の自分を雇ってくれるところがあるだろうか?

「いや、そこは年齢をごまかせば大丈夫だ」

瑛太は首を縦に振ってうなずいた。

自慢ではないが、あまり年相応に見られたことがなかった。

185センチある身長とハーフの顔立ちがそうさせてしまうのかも知れない。

たぶん、ここでも年相応に見られることはないはずだ。

そうと決まれば、まずは行動である。

瑛太は無料で配布されていた求人情報の雑誌を手に取ると、ページを開いた。