カラカラとキャリーバックを言わせながら駅を後にすると、すでに日が昇っていた。

空を見あげると、目に沁みるかと思うくらいに青かった。

「10年以上たったのに、全く変わっていないや」

青空に向かって呟いた後、瑛太は周りを見回した。

「ここはここで、ずいぶんと変わってしまったな」

まるで浦島太郎になった気分だと、瑛太は思った。

変わってしまった街並みを見つめていたら、グーッとお腹の虫が鳴った。

「この時間に空いてるところと言えば、マックかコンビニくらいだよな…」

始発の電車までまだ時間がある。

この時間だと両親はまだ起きていないはずだ。

そう思った後、瑛太はこの場から立ち去った。

まずは朝ご飯を食べることが先である。