宗助の目から、涙がこぼれ落ちた。

「玉井くんが作る詩と曲、玉井くんの手によって作りあげられるその世界が俺は好きや。

玉井くんの才能を周りが認めていたのもよおわかるんや。

君が作る世界は美しい、やけどそこには強さと温かさが深くこめられておる。

この場におる俺たちを含めるみんなが、玉井くんのことが好きなんや。

君が作る曲や世界はもちろんのこと、君の人柄にもみんなはほれておるんや」

荒畑が宗助に歩み寄ると、彼の頭のうえに手を置いた。

「もう2度とこんなことはしんと約束をして欲しい。

玉井くんにもちゃんと未来があるんやから。

彼らを裏切るようなまねはもちろん、彼らの手を離さないと誓って欲しい。

ほんで、何ぞあったら彼らに相談をすることも」

「――はい…」

宗助は首を縦に振ってうなずいた。