「お前は有名になるんだ!

日本…いや、世界的に有名になるんだ!」

熱弁するように言った吉永に、宗助は思った。

(そうか、僕が有名になればいいんだ。

もし僕が有名になったら、お父さんは会いにきてくれるかも知れない)

この瞬間、宗助はミュージシャンになろうと決意をした。

ミュージシャンになったら、どこかで生きている父親が自分に会いにきてくれるかも知れない。

「僕、ミュージシャンになる!」

そう宣言した宗助に、
「よーし、宗助の未来にカンパーイ!」

畑山と吉永は乾杯をした。

きっかけを与えてくれた浮橋、背中を押してくれた畑山と吉永に、宗助は深く感謝した。