1曲弾き終えると、
「すっげー…」

吉永が呟いた。

「ここまで弾けるとは、思っても見なかった…」

いつの間にかその場にいた畑山は驚いた顔をしている。

「人から教わっただけなんですが…」

呟くように言った宗助に、
「いや、充分だよ!」

吉永がポンと宗助の肩をたたいた。

あまりにも強い力に、宗助はその場に崩れ落ちそうになった。

「ヤバい…!

これは大成功の予感がしてきたぞ!」

吉永は興奮している。

「玉井…いや、宗助!

お前、作詞と作曲できるか!?」

そう聞いてきた吉永に、
「詩は書けます…」

呟くように宗助は答えた。