その翌日の放課後。

宗助はギターを持って音楽室へと訪れた。

ギターは去年の春に浮橋が施設を出て行く時に、彼がくれたものだ。

音楽室のドアを開けると、
「お前が玉井宗助か?」

背の高い大きな男ににらまれた。

「は、はい…」

彼が昨日畑山が言っていた、吉永と言う男だろうか?

とても同級生とは思えない迫力に、宗助は気圧されることしかできない。

「よし、だったら何か1曲弾いてみろ」

そう言った吉永に、
「はい…」

宗助は返事をすると、ギターケースからギターを取り出した。

簡単にチューニングを済ませると、宗助はギターを弾いた。