浮橋は驚いたと言うように目を見開いた後、宗助とノートの切れ端を交互に見つめた。

「お兄ちゃん?」

そんな彼の様子に、宗助は訳がわからないと言う顔をした。

「お前…」

浮橋はポンと宗助の肩をたたくと、
「お前、絶対に素質があるぞ!」
と、大きな声で言った。

「そ、素質…?」

言われた宗助は訳がわからなかった。

素質って、一体何の話をしているのだろうか?

「お前、なかなかいい詩を書くじゃねーか!」

浮橋はニッと歯を見せて笑った後、宗助の髪をクシャクシャに乱した。

「痛いよ、お兄ちゃん…」

浮橋は手を離すと、
「おい、俺がこれからお前にギターを教えるから!

お前はしっかりと覚えろよ!」

それまで持っていたギターを宗助に渡した。