この場の空気が変わった。

「何だって…?」

そう呟いた桑田の声は、震えていた。

「アウトサイダーの真木さんって、そんなバカな…!」

否定をするように、瑛太は首を横に振った。

夏々子の目は大きく見開かれたまま、色を失っていた。

「夏フェスの前日にセットが荒らされて、壊された事件があっただろ?

あれはスタッフの中に真木の仲間がいたんだ。

要はスパイだな、そいつがやったんだ。

後は本物のスタッフと一緒に会場へ向かって第一発見者を装えば…」

そう言った浮橋に、
「そう言うことか…」

瑛太が呟くように返事をした。