翌日のことだった。

ベッドの横のテーブルに置いていたスマートフォンが震える音で、夏々子は目を覚ました。

「――んー…何よ、もう…」

夏々子はタオルケットから手を伸ばすと、震えるスマートフォンを手に取った。

「今日は休みでしょうが…」

寝起きのせいで乾いている声で毒づきながら、夏々子はスマートフォンを耳に当てた。

「んー、もしもし?」

「なっちゃんか?」

宗助の声だった。

「何よ、どうしたの?」

安眠を妨害されたことにイライラしながら質問をした。

宗助から返ってきた答えを聞いた瞬間、夏々子の眠気が吹っ飛んだ。