「――ッ、うっ…」

ズズッと洟をすすった後、両手で顔を隠すようにおおった。

「全部捨てた後、次は復讐の準備を進めた。

自分で事務所を立ちあげて、バンド活動をするためにメンバーを見つけて、メジャーデビューをした。

長い時間をかけて、日本を代表するバンドの地位についた。

それは全て復讐のため、父親を殺害した彼らに仇を打つため――あいつが復讐のことを考えない日なんて、1日もなかったよ」

「――何だよそれ…」

桑田がさえぎるように呟いた。

「俺たちは、宗助さんに利用されていたって言うことなのかよ!?」

浮橋に向かって怒鳴った桑田に、
「ヤスくん、落ち着いて」

瑛太は言った。