「その間に宗助は大学を卒業して、ある大手芸能事務所に就職をした。

そこでBIRDMENに出会って、彼らのマネージャーとして働いた。

その間に宗助も自分なりに調べて、父親の職業が泥棒だったと言うことを知った。

その時からだな、宗助が義賊としての活動を始めたのは。

確か、まだ24とか25だったはずだ」

そう話した浮橋に、
「そんな昔から…」

夏々子は呟くように言った。

「もし父親が泥棒としてまだ活動していたら、いつか見つかるかも知れないと思ったんだろう。

だけどその願いは27歳になった時に、俺が長い間調べあげた真実によって儚く散ってしまったんだけどな。

父親が殺されたことを知った時、宗助はショックを受けた。

いつか自分が父親の仇を打ってやる――と心の中で、あいつは誓った。

そのために宗助は今まで自分が築きあげてきた地位を全部捨てたんだ」

夏々子の目から、涙がこぼれ落ちた。