「とりあえず、これは持ち帰りだな」

宗助はごみ袋を縛ると、サンタクロースのようにごみ袋を肩に背負った。

「本日の仕事は終わり、退散」

宗助の指揮で、4人は東サダオの部屋を後にした。

ドアを閉める時、宗助は名刺入れから黒い名刺を1枚出すと、下駄箱のうえにそれを置いた。

黒い名刺には、「ピッキング・カルテット」と白いインクで印刷された文字が書いてあった。

早足で現場を去った彼らは、知らなかった。

自分たちが、すでに事件に巻き込まれていたことに…。