「えっ…？」

荒畑に連行されるように、黄土色のトレンチコートを着た男が現れた。

「イテテ、ちゃんと歩くから離せって言ってるだろ！」

荒畑に向かって噛みつくように言った男に、
「俺がこの手を離したら、お前は逃げるじゃないやか」

ピシャリと、荒畑が男の背中をたたいた。

「あの…この人、誰なんですか？」

瑛太が男を指差した。

「誰って…お前、宗助から何も聞いてねーのかよ？」

男が不思議そうに言った後、瑛太の顔を見つめた。

「テレビや宗助の話から聞いてたけど、近くで見ると結構なイケメンなんだな。

外人の血が混じってるからと言うこともあるかも知れねーけど」

そう言った男に、
「俺のことを知ってるんですか？」

瑛太は驚いたと言うように、男に聞いた。