ピッキング・カルテットの初仕事は、横領疑惑がある市役所職員の家だった。

「本当に横領した金があるんですか?」

そう言ったのは瑛太だ。

「嫌がっていたわりにはきたのね」

瑛太に向かってそう言ったのは夏々子である。

「違うよ、俺はなっちゃんが心配できたんだよ。

なっちゃんが宗助さんの足を引っ張ったら、宗助さんも仕事できないだろ?」

「失礼ね、あたしだってちゃんと仕事をしているわよ」

「仕事の意味が違うんだよ」

瑛太と夏々子の間に入るように言ったのは桑田だ。

「って、ノブオもきたのね?」

呆れたように言った夏々子に、
「右に同じ」

隣にいる瑛太をチラッと見ると、桑田が言った。