「チームの名前は…そうだな、“ピッキング・カルテット”と言うのがいいかも知れない」

「カルテット?」

初めての単語を耳にした夏々子に、
「四重奏、って言う意味なんだ」

宗助が言った。

「四重奏?

それって、俺たちも入ってるって言うことじゃないですか!」

瑛太が慌てたように言った。

「響きだけで命名したんだよ。

いかにもバランスがよさそうな名前だろ?」

そう言った宗助に、
「そんな理由での命名かよ…」

瑛太はやれやれと言うように息を吐いた。

「こりゃ、巻き込まれたとしか言いようがないな…」

桑田も息を吐いた。