「わかりました、よろしくお願いします」

会釈をするように頭を下げた瑛太に、
「2週間後の休みにナナコちゃんと桑田くんを連れて、またここへ戻ってきて欲しい。

その時にわかったことを全て話すから」

荒畑が言ったので、
「はい、わかりました」

瑛太は首を縦に振ってうなずいた。


山形駅についたのは夜の8時を過ぎてからだった。

「うわーっ、寒い」

瑛太は紙袋からコートを取り出すと、それを身につけた。

「ヤバいな、すっかり遅くなったな」

スマートフォンを取り出して電話をしようとした時、瑛太は首を動かして周りを見回した。