「もう10年だ、僕も疲れてしまったよ」

宗助はやれやれと言うように息を吐いた。

「ちょっと待ってくださいよ!

俺たちは一体どうなるって言うんですか!?

解散したら、俺たちはどこへ行けと…」

「瑛太」

早口でまくし立てようとした瑛太をたしなめるように、宗助は名前を呼んだ。

「これからは、君たちで人生を決めて行くんだ。

僕は君たちが決めたことに何も言わない。

君たちは自由に、自分たちの人生を生きて行けばいい」

宗助は宣言するように言った後、社長室を後にしたのだった。

 * * *