ついでに切ってもらえばよかったなと思った時、
「でも、たかが美容院に行くだけのなのにエイくんをお目付け役にする必要なんてないんじゃない?」

夏々子が言った。

瑛太は伸ばしていた手を下ろすと、
「宗助さんの親心だろ、金髪から変な髪の色あるいは変な髪型にでもなったら困るからだろ」
と、言った。

「変な髪型って…」

そう呟いた夏々子に、
(変な髪の色のところに関しては何もなしかよ…)

心の中で呟いた後、瑛太は息を吐いた。

「それにしても、来週からツアーがスタートか…。

帰ったら荷造りをしないと」

高く澄み渡った青空を見あげると、夏々子は呟いた。