岡島は両手で隠すように顔をおおった。

「私は警察に、あの子はどこかで生きているはずだからと捜索をお願いしました。

だけど、彼らは私の言葉に耳を傾けてくれなくて…娘は、死亡者扱いされてしまいました。

周りから頭がおかしいと言われても、それでもあの子が生きていると言う望みを捨てることができませんでした。

そんな日々を過ごしていたら、テレビにあの子の姿が映っていました。

楽器を持って歌っているあの子はずいぶんと変わってしまっていたけど、私は一目で自分の娘だと言うことがわかりました。

生きていた娘を見た時、私は嬉しくて仕方がありませんでした。

もっとあの子のそばに行って、あの子の姿を見たいと思った時、あなたの会社で清掃員を募集していると言うことを知りました」

「――そうだったんですか…」

そう言った宗助に、岡島はおおっていた手を外した。