「僕の携帯電話を届けにきたその時、あなたは“彼女”が烏山に目をつけられていることを知った。

あなたは“彼女”のために烏山の自宅へ行き、酒に入れた睡眠薬を彼に飲ませて殺害した。

睡眠薬の調達はあなたが普段から通っていた心療内科から、酒はあなたの自宅近くにある酒屋から購入したと言うこともわかっています」

「…そこまで、調べたんですか?」

「当然」

そう返した宗助に、岡島は何も言えないと言うように口を閉じた。

宗助はピースサインにした手を岡島に見せた。

「2つ目の質問です。

あなたはどうして“彼女”を――実の娘である、夏々子さんを捨てたんですか?」

そう言った宗助に、岡島はまた驚いた顔をした。

宗助はスーツのポケットから1枚の紙を出した。

「あなたと彼女のDNAは証明済みです。

99.9パーセント一致していると、そう書いてあります」

広げた紙は、宗助の言う通りだった。