ガラッと開いたドアに視線を向けると、スーツ姿の花束を持った男だった。

「体調はいかがでしょうか?」

そう聞いてきた男はドアを閉めると、ベッドに歩み寄った。

「おかげさまでよくなりました」

質問に答えると、
「それはよかったです」

男はガラスの花瓶を洗面所に持って行った。

花瓶に水を入れると、持ってきた花束を添えた。

「これ、もしよろしかったら」

そう言ってテーブルのうえに花瓶を置いた男に、
「まあ、わざわざありがとうございました」

お礼を言った。

「社長」

そう呼ばれた男――宗助は、
「どうかなさいましたか?

岡島さん」

首を傾げた。