病室を出てドアを閉めると、
「2人は血が繋がっていないかも知れないけど、心は“父娘”と言う名の強い絆で繋がっているのよね」

夏々子が言った。

「あっ、それ今俺が言おうと思ってたのにー」

桑田は口をとがらせた。

そんな桑田に瑛太はクスッと笑った後、
「絆と言うものは、本当にそうなのかも知れないね。

例えば、なっちゃんと宗助さんみたいに」

夏々子と宗助を見つめた。

「父娘のようであり、兄妹のようであり、師弟のようであり…なっちゃんと宗助さんは、深い絆で結ばれていますよ」

瑛太が言った。

「ねえ、ソウちゃん」

夏々子が宗助を呼んだ。

「何だ?」