宗助はタブレットをケリーの前に見せた。

見せられたタブレットに、ケリーは手で隠すように口をおおった。

そこに映っていたのは、監視カメラの映像だった。

つばの広い大きな帽子とサングラスとマスクで顔を隠しているが、そこに映っているのはまぎれもなく自分の姿だ。

「僕の友人が警備関係の会社にいるので、彼に頼んで都内にある監視カメラのデータを全て送ってもらいました。

もちろん、あなたが仮病を使って都内へ向かっていたその日の映像です」

宗助はタブレットを夏々子に返した。

「映像の中には、あなたが岡島さんを階段から突き落としたシーンも入っています。

それでもあなたは自分の罪を認めない、あるいは自分の罪を正当化するつもりでしょうか?」

ジッと自分を見つめている宗助に、
「敬子」

聞き覚えのある声が、自分の名前を呼んだ。

桑田は近くのカーテンを開いた。

「――お父様…」

開かれたカーテンから現れたのは、四月一日だった。