にらんでいるような彼女の視線に、宗助はひるまなかった。

宗助は唇を開くと、
「その施設で、あなたは四月一日氏に出会った。

彼は自分が原因で、昨年に亡くなった奥さんとの間に子供ができなかった。

養子をもらいに、あなたがいる施設へ現れた。

そこであなたを見つけ、あなたを引き取った。

あなたが12歳の頃の出来事ですね」

ケリーに言った。

「ええ、お父様とお母様は私によくしてくれました。

全くの赤の他人である私を、実の娘のように大切にしてくれました」

そう言ったケリーに、
「ドラムは、あるバンドのドラマーだった四月一日氏に教わったとお聞きしました」

宗助が言った。

「ええ、そうよ」

ケリーは答えた。