「ついには、あいつは借金を残して家を出て行った…!

母はあいつが作った借金を返済するために朝早くから夜遅くまで、それこそ身を粉にして必死で働いた…!

家に借金取りがきて怖かったことを、今でも覚えてるわ…!

あいつが作った借金なのに…!

なのに、あいつは母に借金を押しつけて、出て行った…!

母は過労で倒れて、その日の夜に亡くなったわ…!

あいつが母を殺したのも同然よ!」

ケリーは近くに置いてある誰もいないベッドを蹴った。

ガシャンと、彼女が蹴ったベッドは大きな音を立てて隣のベッドにぶつかった。

「1人ぼっちになった私は親戚をたらい回しにされるだけされて、施設へと預けられた…」

ケリーは悔しそうに言った後、宗助に視線を向けた。