「あなたの実の父親の名前は、烏山菊次郎さん――間違いありませんね?」

そう言った宗助に、ケリーは悔しそうに唇をゆがめた。

「…どうして、あいつと私の関係を知っているんですか?」

悔しそうに言ったケリーに、
「風の仕業とでも言っておきましょうかね」

宗助は言い返すと、腕を組んだ。

余裕の表情を浮かべている宗助に、
「あんなゲス男、父親でも何でもないわ!」

ケリーが声を荒げた。

「私が物心ついた時から、あいつは常に酒に溺れている暴力男だった…!

酒がなかったら暴れ、酒を飲んでは暴れて、幼い私と母に暴力を振るった…!

最低最悪のゲスヤローだった…!」

ケリーは八つ当たりをするように、ヒールで床を蹴りあげた。