「何が?」

そう聞いた瑛太に、
「何だか、父娘の会話とは思えなかったなって」

夏々子が答えた。

「父親と娘なんて、そんなもんなんじゃねーのか?

俺ンところは息子だし、まだ小さいからよくわかんねーけど」

桑田が言い返した。

「そう言うものなのかしら?」

そう言った夏々子に、
「どう思って、父娘じゃないって言えるんだ?」

宗助が聞いた。

「お互いがお互いに気を使っているって言うのかしら?

父娘なら気を使う必要なんてないのに…って思うのは、あたしの中のイメージだけかしらね」

夏々子は言い過ぎたと言うように口を閉じた。