「…荒畑さん」

宗助が荒畑を呼んだ。

「何やか?」

「あちらのドラマーがにらんでいます」

宗助が視線を示したその先には、本山がジッとこちらを見ていた。

「ナオちゃんごめんね、ナオちゃんもドラマーだったことを忘れてたよ」

すねる本山に荒畑は平謝りをしていた。

宗助は小さく舌を出した後、スポーツドリンクを口に含んだ。


ケリーが笑顔で戻ってきた。

「次は俺らの出番やね」

荒畑はポキッと指を鳴らした。

「ケンカに行くんじゃないんだから」

気合い充分の荒畑に、徳重は苦笑いをしながら返した。