「新喜劇見るんだったら貸そうか?」

そう言った夏々子に、
「そう言う意味で聞いた訳じゃないんだ。

頼みたいことがあるから部屋に入ってもいいか?」

「いいけど」

宗助は夏々子の部屋に入った。

「それで頼みたいことって何?」

夏々子はベッドのうえに置いていたタブレットを拾いあげると宗助に聞いた。

「都内にある防犯カメラのデータを全部ハッキングできるか?

できれば、昨日から今日までのデータを見てみたいんだ」

そう言った宗助に、
「時間はかかるかも知れないけど、ちょっと待ってて」

夏々子はベッドのうえに腰を下ろすと、タブレットを操作し始めた。