日本を代表するロックバンドのベイビー・スターダストから、世間を騒がしている義賊集団であるピッキング・カルテットに変わった瞬間だ。

悪党たちから金品財宝を盗むだけ盗み、それを世間の貧しい人たちに匿名で与える――それが、ピッキング・カルテットの仕事だ。

「今回は、彼の自宅マンションに忍び込む」

宗助はそう言うと、茶封筒から１枚の写真を出した。

夏々子と瑛太と桑田は彼の手元にある写真を覗き込んだ。

「えっ、この人って…」
と、夏々子。

「人気司会者の…」
と、瑛太。

「東サダオ（ｱｽﾞﾏｻﾀﾞｵ）、だよな？」
と、桑田。

「知ってて当たり前だな。

彼は世間では表の顔しか見せていないからな」

宗助は呟くように３人に言うと、放り投げるように写真をテーブルに置いた。