「機材トラブルは大変でしたね」

そう言った四月一日に、
「機材をどうもありがとうございました。

明日のライブで大切に使わさせていただきます」

宗助は何度も頭を下げた。

「いえいえ、とんでもないです。

私も敬子――いや、ケリーも明日の玉井さんのライブを楽しみにしているんです。

絶対に成功させましょう」

四月一日は励ますように言った。

その時、それまでジーンズのポケットの中に入れていた宗助のスマートフォンが震えた。

「すみません、失礼します」

宗助は四月一日に一言言うと、スマートフォンを取り出した。

「もしもし…ええっ、何だって!?」

電話に出たとたん、宗助は驚いたと言うように大きな声をあげた。