「だけど、機材の方はどうするんですか?

ほとんどが壊されて使い物にならないそうですよ?」

そう言った桑田に、
「参ったな…」

宗助は呟いた。

カツン…と、ヒールの音がその場に響いた。

「ひどい有り様ですね」

その声に視線を向けると、ケリーだった。

ケリーは宗助に視線を向けると、
「ライブは中止にしないんですよね?」
と、聞いた。

「もちろん、中止にさせませんよ」

宗助はケリーの質問に答えた。

ケリーはズボンのポケットからiPhoneを取り出した。