時間も時間と言うこともあり、露天風呂に入っているのは自分1人だったはずだ。

一体いつから彼は入ってきたのだろう?

さっきの呟いた声は本山に聞かれていなかっただろうか?

「あなた、刺青が入っているじゃないですか!?」

宗助は本山の首筋に入っている黒い蝶々の刺青を見ながら言った。

「細かいことは別にいいじゃんか、誰に迷惑をかけてる訳でもないんだし」

本山は豪快に笑った。

「せっかくの露天風呂だ、裸のつきあいをしよまい」

「しません!」

宗助はそう言った後、本山の顔に向かってお湯をかけた。