時間が夜の10時を差した頃、宗助は露天風呂に浸かりながら考えていた。

「一体誰が俺たちよりも烏山に先回りをして手を打ったのだろう…?」

呟いた後で夜空を見あげると、さすが山の中である。

天の川が美しかった。

あれから3週間が経っているが、兄貴からの情報は未だに届いていない。

考えながらのぼせるのも時間の問題だと思い、宗助は息を吐いた。

露天風呂から出ようとしたら、
「わあっ!?」

宗助は驚いて転びそうになった。

「何もそんなに驚くことはねーじゃんか」

笑いながらそう言ったのは本山だった。