左の方で1つに寄せている黒髪のロングヘアー、眉の下で切りそろえられている前髪の下から覗く鷹のように鋭い切れ長の瞳は、威圧感を感じさせた。

雪のように白い肌に、形のいい真っ赤な唇――例えるとするなら、緻密に計算されて作られたアンドロイドのようだ。

「ああ、こんばんわ」

宗助はケリーに向かって会釈をした。

「えっと、明日にこちらの方にくる予定だったのでは…?」

そう聞いてきた宗助に、
「その予定だったんですけど、仕事が思った以上に早く終わったので今日の夕方にこちらへきました」
と、ケリーが答えた。

「ああ、そうだったんですか」

「玉井さんが主催するライブに参加できるなんてとても光栄です」

ケリーは嬉しそうに笑いながら言った。

宗助は照れくさそうに笑った。