その日の夜。

宗助は公園のベンチに腰を下ろして、ある人物が到着するのを待っていた。

太陽が沈んでも、まとわりつくような真夏の空気は変わらない。

「待たせたか?」

待ち人が現れた。

「いや、今きたところだ」

宗助は答えると、カバンから脅迫文を出した。

「すげーな、脅迫文がきたんだって?」

宗助の手から脅迫文を受け取った彼は珍しそうに見つめた。

「新聞の切り抜きを使うって、いつの時代だよ」

彼は鼻で笑った。

「送り主を調べて欲しいんだ」

そう言った宗助に、
「俺の手にかかればお安いご用だ」

彼はニヤリと不敵に笑った。