「いや、違う」

宗助は今見ていた紙をテーブルのうえに置いた。

『8月9日に行われるライブフェス「Paradise」を中止しろ

さもなくば、夏々子の秘密をマスコミに暴露する』

文字は新聞から切り抜いて、この紙に貼りつけたものだろう。

「な、何だこれは!?」
と、瑛太。

「これ、脅迫文じゃねーか!」
と、桑田。

夏々子は青い顔で震えている。

「大丈夫だ」

宗助は夏々子の肩に手を置くと、声をかけた。

「脅迫文なんて初めて見たなあ」

本山が珍しそうに脅迫文を眺めた。

「…瑛太、今すぐ彼をつまみ出してくれないか?」

「わかりました」

宗助の言葉に瑛太は首を縦に振ってうなずいた。