時計が1時を指差すと、昼休憩に入った。

「あーあ、やっとカバー曲が決まったよ」

桑田が両腕をあげて、大あくびをした。

「ホントホント」

瑛太は桑田に返事をすると、コロッケパンにかじりついた。

彼の横には先ほどお湯を入れたばかりのカップラーメンが置いてあった。

「瑛太、お前すげー食欲だな。

そんな細い躰なのに、一体どこに入るんだ?」

桑田は呆れているような、感心しているような言い方をした。

「これくらい、フツーのような気がしますよ?」

瑛太は当たり前のように言い返すと、最後の1口になったコロッケパンを口に入れた。