タクシーを見送った桑田が、
「あれでいいんすか?」

宗助に尋ねた。

「大丈夫だ。

タクシーにも3人の住所は伝えてあるし、後は家族が何とかしてくれる」

宗助は答えた。

瑛太が『福禄寿』からキャリーバックを引きながら出てきた。

「なっちゃん、すっかり眠ってますよ」

そう言った瑛太に、
「そのまま寝かせてやれ。

後で迎えに行くから」

宗助は答えた。

「じゃ、俺はもう帰ります。

律子と翔平が待っている我が家に」

桑田が笑いながら言った。