「固いことは言わなくてもええやないの」

荒畑はビール片手に笑っている。

徳重は黙って焼酎を傾けていた。

「俺ら、飲む約束をしたやないかい!」

本山はビール片手に笑いながら言った。

「いつ飲むって言ったんですか」

そう返した宗助に、
「今やがな!」

本山は宗助の肩に自分の手を置いた。

「こっちは積もり積もった話が15年もあんねん!

15年分の話をしようや!」

「イテテ…」

迷惑そうな顔の宗助だが、どこか満更でもない様子だ。

そんな宗助を見ていた夏々子に、
「なっちゃん」

桑田が声をかけた。