その日の仕事帰り、楢崎千恵美は山梨県行きの新幹線に飛び乗った。
駅を降り、タクシーに乗ってついたところは、事件現場の広場だった。
「こんばんわ」
すでにいた先客に、千恵美は声をかけた。
「山崎欣次郎さん、ですね?」
そう言った千恵美に先客――山崎欣次郎は驚いたと言う顔をした。
「ご存知だったんですか?」
そう聞いた山崎に、
「あなたの息子さんから話はよく聞いています」
千恵美は答えると、コートのポケットからボールペンを出した。
今日の昼、この広場で殺害された山崎実の婚約者の友人だった女性インストラクターから預かったボールペンだ。
駅を降り、タクシーに乗ってついたところは、事件現場の広場だった。
「こんばんわ」
すでにいた先客に、千恵美は声をかけた。
「山崎欣次郎さん、ですね?」
そう言った千恵美に先客――山崎欣次郎は驚いたと言う顔をした。
「ご存知だったんですか?」
そう聞いた山崎に、
「あなたの息子さんから話はよく聞いています」
千恵美は答えると、コートのポケットからボールペンを出した。
今日の昼、この広場で殺害された山崎実の婚約者の友人だった女性インストラクターから預かったボールペンだ。