その夜。

「――よし、できた」

夏々子がパソコンから顔をあげた。

「悪いな」

宗助は夏々子に温かい紅茶が入ったマグカップを差し出した。

「ありがと」

夏々子はそれを受け取った。

「果たして、何が出てくるんだろうな」

桑田は深呼吸を繰り返している。

「ボールペンタイプの盗聴器だから、何か重大な秘密でもあるんだろうな」

瑛太はパソコン画面を覗き込んだ。

「じゃあ、再生するよ」

夏々子はマウスをクリックした。

そこから流れた内容に、4人は驚いて顔を見あわせた。