夏々子は両手を広げた。

宗助はそれに答えるように両手を広げると、夏々子を抱きしめた。

「僕がいなかった間のことを聞いてもいい?」

質問をした宗助に、夏々子は首を縦に振ってうなずいた。

「眠るのが怖かった」

「うん」

「ソウちゃんに会うまでの夢を見てた」

「うん」

「ソウちゃんに会って、名前をつけてもらった夢も見た」

「…そうか」

宗助は夏々子の背中をなでた。

「あたしも聞いていい?」

「どうぞ」

「楢崎千恵美さんのこと」

「答えられるだけなら」

夏々子は宗助の背中に手を回した。