「…今度は一体何があったんだ?」

お風呂からあがった宗助が見たのは、テーブルの端から端まで並べられている料理だった。

鶏のから揚げ、とんぺい焼き、生姜焼き、スクランブルエッグ、白菜と豚肉の重ね蒸し、サバ味噌、じゃがいもとマカロニのグラタン、クリームシチュー、肉じゃが、麻婆茄子――風呂に入っていた時間は長かったとは言え、よくこんなに作れたなと宗助は思った。

当然、瑛太と桑田も手伝ったのかも知れないが。

「エヘヘ、全部ソウちゃんの大好物でそろえてみたの」

無邪気に笑う夏々子に、宗助は何も返せなくなった。

2人から甘過ぎると言われるのは、この際仕方がない。

「じゃあ、いただくとするかな」

宗助は椅子に腰を下ろした。

「お酒は?」

夏々子が聞いてきたが、
「いらない」

宗助は首を横に振った。