一瞬…ほんの一瞬だけだが、徳重は昔ヤクザか殺し屋をやっていたんじゃないかと、夏々子と瑛太と桑田は思った。

「背中に刺青入れてるらしいし…」
と、桑田。

「黒髪オールバックですし…」
と、夏々子。

「もはや堅気(カタギ)ではない」
と、瑛太。

荒畑はのん気な顔でお茶をすすっていた。

「全て吐かんかい、ゴラァッ!」

「ギャーッ!」

夏々子と瑛太と桑田の3人が思ったことは、ただ1つである。

――自分たちは何も知らなければ、何も見ていない。

夏々子は見猿のポーズを、瑛太は言わ猿のポーズを、桑田は聞か猿のポーズをした。

悲鳴に関してのツッコミはなしにする。