同じ頃、彼らも朝を迎えた。

「悪ィ、タバコ買いに行ってもいいか?」

本山がそう言って椅子から腰をあげた。

「おいおい、タバコくらい我慢しろよ。

今出て行ったらマスコミに囲まれるだけだぞ?」

徳重が本山を止めようとした。

「大丈夫だ。

裏口くらいあるんだろ?

そこを使えば、誰も気づきゃしねーよ」

そう言った本山に、
「地下駐車場を通れば表に出れます」

桑田が答えた。

「ほら見ろ」

本山は徳重にそう言うと、部屋を後にした。