男は宿泊先のホテルに部屋をとると、少女と一緒に中に入った。

男はコートを脱ぐと、少女と一緒にバスルームへ入った。

少女を小さな椅子に座らせると、男はシャワーを出した。

「すぐに温めるから、じっとしてて」

男はそう言って温かいシャワーを少女の足に当てた。

感覚がなくなっていた冷たい足が温まり、感覚が戻って行く。

「よかった…」

男はホッとしたように呟いた。

それから男はシャワーで少女の手を温めた。

「こんな雪が降る寒い中で、つらかったんだな…」

男は涙を流すと、自分の手で少女の小さな手を包み込んだ。

少女は、自分の手を握って涙を流す男を見つめた。

「――神様、じゃないの?」

呟くように言った少女の声に、男は首を横に振った。