窓から差し込む日差しに、今は何時なんだろうと夏々子は思った。

見なれた天井に、さっきの出来事は夢だったことにホッとした。

(あたし…また、いつ寝たんだろう?)

汗をかいたせいで躰が冷たくて気持ち悪い。

夏々子は躰を起こした。

汗で冷たくなってしまった躰を温めるため、フラフラしたおぼつかない足取りでバスルームへと向かった。


時間は夜を迎えた。

「まだナナコちゃんと連絡がつかんの?」

荒畑が桑田に聞いた。

桑田はスマートフォンをテーブルに置くと、両手で頭を抱えた。

「ナナコちゃんの家、わからへんやか?」

続けて聞いた荒畑に、
「なっちゃん家は、宗助さんしか知りません」

桑田が呟くように返した。